税理士は胃と肝臓が強くなければ務まらないか

(Q)私の友人に税理士がいます。彼は税理士は胃と肝臓が強くなければ務まらない、と言っています。本当でしょうか?


(A)お客さんを獲得したり、つなぎ止めておくために飲食やゴルフで大変だ、と言いたいのでしょうが、いまどきそんなことを言う税理士も珍しいと思います。「お客さんと一緒に酒を飲んでどうしようというのだ」と思うのが、まともな税理士です。
 税理士という商売は胃と肝臓を鍛えるより神経を鍛えなければなりません。


(Q)“神経を鍛える”ではなく“頭を鍛える”の間違いではありませんか?


(A)頭を鍛える必要はありません。税理士に必要なのは「知識」ではなく「義侠心」です。知識を頭に詰め込むと臆病になるだけです。税理士という商売にいちばん向かないのが臆病者です。胃と肝臓が丈夫でも臆病者では仕方がありません。

納税者が理解できない税法が悪いのです

(Q)私は今年から自分で確定申告をするつもりです。税金のことで分からないことがたくさんあるので税務署に聞きに行きました。思いのほか親切に教えてくれましたので好印象を持ちました。しかし、最初に会った税務署員が頼りなかったので、念のため他の税務署で聞きましたところ、まるで違った回答でした。そこで不安になってあちらこちらの税務署を訪ね回りました。するとすべて違った回答になり何を信用してよいやら分からなくなりました。こんなことってあるのでしょうか。


(A)よくあります。……というよりそれが普通です。
学校の試験じゃありませんから、正解がないのが正解ということもあります。
世間では「税務署がそう言った」と“天の声”のように信用する人がいますが、それは間違いです。日本人の悪いクセは役所を信用しすぎることです。そのくせちょっとした役所のミスでも鬼の首でも取ったように騒ぎ立てるのです。確定申告時期のクソ忙しいときに税務署員に即答を期待することがナンセンスです。常識を働かせてください。


(Q)もし税務署員が言ったことが間違っていた場合、責任を取ってくれるのでしょうか?


(A)そんなわけないでしょ。甘えてはいけません。


(Q)それじゃ、何を信用して申告すればいいんですかっ!


(A)税法です。


(Q)私は税法を読んでも理解できません。


(A)納税者が理解できない税法が悪いのです。“憲法違反”で訴えることをお勧めします。

近いうちにこの国は滅びるでしょう

(Q)花村さんはこの忙しい確定申告時期はどんなことを考えておられるのですか?


(A)納税者が年々真面目に、そして臆病になっています。資料も早々に持って来られますのでのんびりやっていると怒られます。みなさんあまりにも品行方正なので薄気味悪いほどです。
 日本人の99.99%はまじめに税金の申告をします。たまに税務調査で誤りが見つかり税金を追徴される人がいますが、それは税法が複雑すぎて税金の計算を間違えただけです。わざとごまかそうとする人はいません。日本人の品行方正ぶりは病気といって過言ではありません。お上に飼い慣らされた結果でしょうか。「一億総神経症」です。いつかプッツンするような気がします。近いうちにこの国は滅びるでしょう。

一ヶ月間、断食道場に籠もることにしました

(Q)花村さんは新月の日に断食をされるそうですね。今日は新月の日ですよね。


(A)そうです。それに今日は旧暦の正月(1月1日)にあたります。新月の日に願い事をすると叶うらしいのです。月のリズム(旧暦)に合わせて生活しようと決めた私にとって、今日は年の初めですから断食は気合いが入っていますし、一年の計を立てました。
 とりあえず今年の4月6日(新月)から5月5日(新月)までの一ヶ月間断食道場に籠もることにしました。


(Q)まるでイスラム教のラマダンですね。


(A)ラマダンでは新月の日から新月の日まで日中の間だけ断食です。日没後は食事することができるようです。私の場合は夜も食べません。死を賭けてやります。


(Q)どうしてそこまでやるのですか?


(A)仙人になるためです。

なにもかも“思いつきで”決めてませんか?

(Q)花村さんは事務所の週休三日制といい、満月の日に給料支給といい、なにもかも“思いつきで”決めてませんか?


(A)3秒で決めて実行しますので他人からは“思いつき”でやっているように見えるでしょうね。軸さえブレてなければ熟慮することはありません。一瞬で決まりです。
 自営業者はこんなものです。役員会を開く必要もなければ稟議書などというまどろっこしい書類も必要ありません。私の一存ですべて決めるのです。これが零細企業の良いところです。軸がブレなければよいのです。即断即決で勝負するから生き残っていけるのです。のそのそやっている役所や大企業がアホに見えます。

これから毎月の給料の支給日は「満月の日」になります

(Q)花村さんの事務所では給料の支払いを「満月の日」にされるそうですね。


(A)うちの事務所では、これから「満月の日」が給料支給日になります。


(Q)どうしてそんなことするのですか?


(A)月のリズムに合わせるためです。私は毎週金曜日に断食していたのを「新月の日」から2日間、「満月の日」から2日間、それぞれ断食をすることに変更しました。体を宇宙のリズムに合わせるためです。
 そうと決めたら月のリズムに合わせて暮らすことがとても合理的に思えるようになりました。つまりこれからは「太陰太陽暦」で暮らすことにします。
 てなわけで、これから毎月の給料は「満月の日」と決めたわけです。


(Q)職員さんたちは戸惑われませんか?


(A)私のワガママに付き合わせて申し訳ないと思っていますが、満月の日は29.53日ごとにめぐってきます。3年に1回の割で閏(うるう)月があるのです。そういう年は年に13回月給の支給となります。いままでより待遇改善になりますので承知してくれると思います。私の体が宇宙のリズムにシンクロするだけでなく、うちの事務所全体が宇宙のリズムに合ってくるわけで、これでどこにも負けない事務所になります。
 人間、自分の意志だけで頑張ってもたかが知れてます。宇宙と同調してはじめて大きなエネルギーをもらうことができるのです。


(Q)だんだんと“浮世離れ”してきますねぇ。大丈夫ですか?


(A)大丈夫です。合理性を追求しているだけですから。

寒い日は走っています

(Q)最近、寒い日が続いていますが、こういう寒い日でも徒歩通勤をされているのですか?


(A)そうです!寒いので歩いていても体が暖まりません。断食で皮下脂肪が少なくなっているものですから骨の髄まで寒くなり、震えが止まらないのです。ですから、こういう寒い日は走っています。


(Q)どうしてそこまで頑張るのですか?


(A)税務署と闘うための根性を身につけようとしているのです。