禁錮18日目

 朝4時起床。快晴。
 
 睡眠時間は3時間もあれば充分。昼間に眠くなることはない。断食・少食の効果は睡眠時間の減少にあらわれる。余分なエネルギーを消化に浪費しなくてよい。内臓を酷使しないから疲れないのだろう。断食は内臓に休息を与えている、そう実感できる。
 
 下界に帰ってからも断食は続けよう。毎日、朝食抜きの“半日断食”、週一回の“一日断食”それに加えて、毎月一回“三日間断食”をやる。毎年一回の“長期の断食”は、またここ静養院に来よう。断食は人生を変える秘術であり秘法だ。私は完全に断食にハマった。
 
 ライフスタイルを劇的に変えるには断食は絶好である。断食をやると「人間は食べなくても生きていける」ことを体感できる。我々のからだを維持しているのは“食べ物”ではなく“生命力”である。そこに気がつけばすべてが変わる。
 
 タンパク質が足りないのカルシウムがどうのと不足ばかりを煽られ、次から次へと腹の中に詰め込んでいるが、もういい。もう何もいらない。内臓は悲鳴を上げている。我々は今のままで充分満ち足りている。本当は何の不足もないのだ。生命力がない身体にいくら食べ物を詰め込んでも無駄だ。
 
 からだだけではなく心についても同じことだ。しかし、こういうことに気がつくと経済が成り立たない。不安や不足を煽り続けていないと経済は大混乱に陥ってしまう。だから互いに催眠術を掛け合っている。この催眠術にかかるとさらに生命力が減殺される。断食はこの催眠術から逃れるための秘術である。
 
 “食べ物”への依存がなくなれば、“食うために働く”必要がなくなる。無理をして意に沿わない仕事をすることはないのだ。これは革命だ。社会が根底から変わる。断食で世界は変わるのだ。
 
 「お前は、以前からわがままで、意に沿わない仕事なんかしてこなかったじゃないか」と言われそうであるが、それが私に限らず、他の誰もができるようになるということだ。仕事上のストレスを抱えることくらいバカバカしいことはないからな。