“需要を抑える”というのもひとつの営業作戦

 人生にとって大切なことは「開き直り」だ。「あきらめ」といってもよい。節税対策に血眼になる人は往生際が悪い。税金が払えるうちは気持ちよく払えばよいのだ。どんなに過酷な税金でも命までは取っていかない。税金を取られる以上に稼げばよいではないか。節税対策に頭を使うヒマがあったら、お金を稼ぐ方に頭を使えばよいのだ。
 こんなことを書けば、私はまたお客を失うことになる。それでよい。稼ぐばかりが能じゃない。私も開き直っているのだ。
 「分かる人とだけ付き合う」ために“需要を抑える”というのもひとつの営業作戦である。幸い、うちはお客様に恵まれている。言っちゃぁなんだが、うちは“客スジが良い”事務所である。いいお客様に恵まれると、うちのスタッフも仕事に燃えることができて、すべてが善循環する。開き直っていると、こういう良いことがある。「あれもやろう、これもやろう、たくさんのお客さんを囲い込もう」と拡大志向だと、いずれは行き詰まる。まじめな人ほど拡大志向に陥る。「こういう仕事はしない、こういう客とは付き合わない」とワガママになって、どんどん削っていくのだ。そうすればやりたい仕事と良いお客様しか残らない。稼がなくてもかまわない、と開き直れば出来ることだ。簡単なことだけど勇気がいるのですよ。これが。