厄介者を排除しようとしてもなんの解決にもなりません

(Q)私は3人兄弟の長男です。両親も真面目、私も次男も真面目なのに末っ子の三男だけが“出来損ない”です。今はニート状態、家でブラブラしております。それならそれでじっとしていてくれるといいんですが、乱暴者で扱いに困っております。この三男のために家庭内のイザコザが絶えません。将来、父に相続があった場合、この三男と遺産分けで揉めそうで心配です。今から父に遺言書を書いてもらっておいた方がよいと思うのですがいかがでしょうか?


(A)全員が揃って真面目な家庭というのは存在しません。どんな家庭にも必ず“出来損ない”がいるものです。なぜならその“出来損ない”がいるからこそ家庭内のバランスがとれているのです。あなたやご両親の負の部分をその三男さんが背負って生きているのです。ですから、あなたはその“出来損ない”の三男を排除するどころか、逆に感謝しなければなりません。
 どういう内容の遺言書を書かれようとしているのか知りませんが、“出来損ない”の三男さんに感謝の気持ちを込めてたくさん相続してもらうような内容にするとよいと思います。


(Q)とんでもありません。三男が財産を相続するとすぐに使ってしまって、あっと言う間に財産はなくなってしまいます。


(A)それでもよいではありませんか。


(Q)……?。非常識です!


(A)だったら、三男を排除して、あなたと次男で財産を分けるつもりなのですか?
その方が将来に禍根を残しますよ。厄介者を排除しようとしてもなんの解決にもなりません。ゴミ処理とは違うのです。


(Q)う〜ん。そう言われればそうかも知れませんね。


(A)はじめから財産を相続しようと思わなければよいのです。それが何よりの解決法です。あなたや次男さんは真面目にやっておられるのだから、なにも財産を相続しなくても生活に困ることはないのでしょ?