断食その後

 下界へ帰って断食のことを「事務所通信」でお知らせした。その反響がすさまじい。断食のことをもっと詳しく教えて欲しい、とか、自分もやってみたいとか、だ。日本人の断食希望者の潜在人口は私の推計では8千545万人はいる。これほど断食希望者が多い国は他にないだろう。
 
 断食したいのにできない理由のトップはまとまった休みが取れないためだ。厚生労働省が率先して“断食休暇”を制度化すれば爆発的に断食は普及する。国民の大半が断食を経験すれば「人は食べなくても生きられる」ということが分かる。物質世界の呪縛から自由になる世界初の国民になるわけだ。過食・飽食を卒業し、少食・粗食に目覚めると日本人のライフスタイルは世界中から尊敬される。21世紀は日本の世紀である。日本の未来はとても明るい。
 
 当然、肉食は激減する。アメリカからの牛肉輸入の問題にしても、日本国民は“菜食主義”と門前払いすればよいのだ。私も断食を始めてから、肉類や油ものは食べたいという気がしなくなった。
 
 世界から尊敬されるためには武力や政治力ではなく、その国民のライフスタイルに共感してもらうことである。あなたは中国人のようなライフスタイルを羨ましいと思うか?中国は世界を引っ張っていく大国には絶対になれない。戦後、日本人はアメリカ人のライフスタイルを羨ましがったものだ。いずれはあのような生活をしてみたいという憧れのようなものがあった。しかし、そのアメリカもすっかりメッキが剥げ落ちた。そこで日本人の少食・粗食が定着すれば、そのロハスなライフスタイルが脚光を浴びるわけだ。