禁錮14日目

 朝4時起床。曇り。睡眠時間は2時〜4時までの2時間。ショート・スリーパーになってしまった。毎日、短い睡眠時間でも疲れない。「人は食べなくても生きられる」→「人は眠らなくても生きられる」。断食による第二の教訓だ。


 回復食は三分粥から五分粥に変わった。相変わらず粗食だが、それでも身体の中から元気が湧いてくる。
 
 ここ静養院の受刑者(?)も入れ替わり立ち替わりで、入所当時のメンバーとはすっかり変わった。ゴルデン・ウィークで人数が増えた。総勢15名。女性が9人、男性が6人である。女性は皆、若い。遠くから来ている。熊本、岡山、栃木などからだ。私と同様、インターネットで申し込みをしている。断食道場でもこういう時代なのだなぁ。病気療養という者はほとんどなく、“自分を見つめ直したい”とか“心身改造”が目的だ。みんなまじめな若者だ。
 
 断食関連の本として
 ・「原本 西式健康読本」西勝造著、農文館
 ・「断食・少食健康法」甲田光雄著、春秋社
 ・「医学革命の書 血液と健康の知恵」千島喜久男著、地湧社
 ・「観相師“水野南北”一代 だまってすわれば」神坂次郎著、小学館文庫
 を読み耽った。理論と実践で私の断食に対する思いは確固不抜のものになっている。
 
 DVD NHKの「未知への大紀行 宇宙」全5巻をぶっ通しで見続けた。アメリNASAは本気で火星へ人間を送り込む計画を立てている。20年後にまず10名程度を火星へ移住させ、徐々に数百人規模まで計画している。今世紀の終わり頃には、火星の人口は10万人と推計している。
 
 それと火星そのものを地球と同じ環境へ作りかえる「テラフォーミング」も紹介していた。二酸化炭素の1万倍の温室効果のあるフロンガスを火星の大気中のフッ素と炭素を利用して作りだし放出する。そうすると温室効果により火星の南極のドライアイスが溶け出して二酸化炭素が放出され、さらなる温暖化が促進される。次に火星の地下に眠っていた氷が溶け出して、地表に水が湧き出てくる。こうして50年で地球と同じような環境が作り出せる。……だとさ。
 
 残るは重力の問題。火星の重力は地球の三分の一。将来の火星人(元地球人)は足は細く、脳が異常に発達しているかも知れない。ホモ・サピエンス・サピエンスという新しい種の誕生だ。
 
 なぜ火星への移住を本気で考えているかというと、いずれ地球は人間の住めるとことではなくなると考えているからだ。やれやれ。
 
 現在まで技術や文明は目を見張るほどの進化を遂げたが、人間そのものは何の進歩もしていない。おそらく今世紀中に人間は意識そのものの大変化を遂げるに違いない。一般の人間までもがお釈迦様やキリストが悟った境地が分かるようになるということだ。あらゆる変化のスピードが加速化しているので、“それ”は一瞬で起こるだろう。今後50年以内にすべての宗教はなくなる。
 
 時間があるので、本だろうがDVDだろうが、片っ端から平らげていく。段ボール箱いっぱいに宅配便で届けておいた本もほとんど読んでしまった。本当は断食中は外から一切の情報や知識は取り入れない方が理想だが、回復食期に入ると、俄然、元気が出てくるので、何もしないではいられないのだ。
 
 いつもの私なら本を読んでいると眠くなるのだが、この断食中は眠くならないし、集中力も格段にアップしている感じがする。仕事関係の本は一切読んでいない。