禁錮12日目
朝2時!起床。雨。
起床といっても布団から出ただけ。ほとんど眠っていない。まったく眠くならない。ここ2,3日こんな調子だ。夜、眠らないからといって、昼、眠たくなることもない。断食じゃなくて断眠だな、こりゃ。夜明けまでが長い。W-ZERO3で遊ぶ。
軒下で燕が巣作りをしている。台湾かフィリピンから飛んできたのだろうか。新緑に燕。日本の春。いい季節である。
断食開始から2週間近く経ったが、事務所との業務連絡はほとんどしていない。ここ静養院へ入所当初、ノートパソコンから事務所のサーバへ、リモート・アクセスを試みたが、アクセス用のパスワードを3回続けて間違えて遮断されてしまった。だから事務所の様子はまったく分からない。
そう言えば、昨年のインド旅行でも一度も事務所と業務連絡を取り合ったことがなかった。仕事は事務所のスタッフに任せっきり。よくやってくれている。何も心配することはない。うちの事務所のスタッフは優秀である。私はいつも後顧の憂いなく事務所を空けることができる。私は幸せ者である。ありがとう、スタッフ諸君!
お金があることより、このように気楽に暮らせるのが一番だ。三週間も気ままに事務所を空けても何の問題もない。ありがたいことである。
今日は回復食に入って3日目。三分粥とわずかな漬け物だけだが、本断食のときとは違い、粗食といえど食べるごとに力がみなぎってくる。毎回の食事がありがたくて涙が出そうになる。一粒のご飯でも味わって食べている。感謝、感謝だ。
今まで、感謝の気持ちもなく、ガツガツと、いかに“上の空”で食べてきたことか。恥ずかしくなるほどだ。このことに気づかされただけでも、今回の“修行”は大正解だ。