禁錮7日目

 朝6時起床。薄曇り。
 
 本断食5日目。痩せた。本当に痩せた。
 
 あばら骨が浮き出てきた。腹はペチャンコにへっこんだ。骨と皮になった苦行している釈迦座像を思い出す。生体維持のために不必要な細胞は淘汰された。だから、体調はゼッコーチョーである。断食は何日でも続けられそうな気がする。
 
 「人は食べなくても生きられる」。これは本当だ。頭では理解して断食道場の門をくぐった。それをここで身体で確信できた。「知識」ではなく「経験」で確信できた。無限の力を手に入れたのだ。「人は食べなくても生きられる」これで異次元の世界にワープできる。
 
 今、静養院では私以外に、10人の受刑者(?)がいる。5人が女性だ。一人は50代、他の4人は20代だ。男性が5人。一人は60代、禁煙が目的。もう一人は50代、高血圧・高脂血症治療のため、他は20代、心身改造のため。
 
 意外に若い子が多い。20代の男性は会社を辞職して来ている。人生を見つめ直すためらしい。人生を見つめ直すためなら断食は絶好だ。会社を辞めて参加する価値はある。仕事より断食だ。君にエールを送ろう。
 
 実は女の子もダイエットではなく、心身改造が目的という子が多い。日本の女はすごい。人気のある断食道場では参加者の8割が若い女性だということだ。断食する女の子に特徴的なのは肌がきれいなことだ。皆、風呂上がりのような肌をしている。断食すると肌がきれいになるというのは、男ではよく分からないが、女には顕著に現れるようだ。
 
 若い子に断食参加者が多いのは頼もしい。日本中でみんなが断食を始めたら世界が変わる。世の中、過食・飽食で不健康になっているが断食を始める若者が多いのは希望が持てる。これからはお金持ちであるとか地位・名誉があるとかは関係ない。“生活スタイル”を問われる時代である。
 
 過食・飽食は醜い。将来は喫煙者以上にバカにされるだろう。少食こそが新しいライフスタイルになる。おそらく、この少食というライフスタイルは日本から始まる。その時、日本は世界中から尊敬のまなざしで見られる。日本人のほとんどが少食になれば食糧自給率が低いことなど問題なくなる。LOHASの最先端を行くことによって世界中から賞賛を浴びるだろう。それが“アメリカの属国という立場”から解放されるときだ。
 
 “断食”と“アメリカからの独立”、ちょっと飛躍しすぎたか?