禁錮4日目

 午前7時起床。目が覚めたのは午前4時だったが、ウトウトしたまま7時まで寝た。薄曇り。


 本断食2日目となる。今年の年初から毎週金曜日は“一日断食”をしていたので、本断食といっても一日目はどうってことはない。しかし、今日からは未知の領域である。今までのところ身体の調子は快調である。ただし、歩くと足元がふらつく。
 
 昨夜もよく眠れた。腹が減ると眠れないと思うだろうが、断食している時はそうでもない。9時消灯だが、いつまで起きていても注意されることはない。ここは実に鷹揚だ。規則がないに等しい。刑務所と違うところはこの自由さだ。私にとって一番好ましい状況である。
 
 入所当初の院長の注意事項として「水を多めに飲むこと」と「できるだけ何もしないこと」とあった。水は毎日2リットルほど飲んでいる。しかし、「できるだけ何もしないこと」というのは難しい。食事をしないと一日が長い。無限に長く感じる。それにやることが全くないのである。まさにこれが“非日常体験”だ。諸君も一度味わってみるとよい。これが三週間も続くのだ。人生が変わる。
 
 私は断食の最中は暇だろうと思い、段ボール箱にいっぱい本を詰め込んで宅配便でここ静養院へ送り込んでいた。しかし、院長は「断食中は食事だけではなく、知識や情報も外部から遮断すること。内臓を休ませるだけではなく、頭も休ませるとよい」との話であった。なるほどと思った。本を読む機会はいつでもある。だから、せっかくのチャンスだから、指示どおり“ぼぉ〜っ”としておこうと思ったのだが、それにしても暇すぎるのだ。
 
 満開の桜の木の下で読書をする。風がそよぐと、桜の花びらが本に落ちてくる。暖かい日である。最高のシチュエーションだ。これが贅沢というものだろう。仕事関係の本も持ち込んだが、それは今回の断食ではやめよう。徹底して仕事から離れよう。
 
 今日、読んだ本は「BASHAR」ダリル・アンカ VOICE、1987年発行版。これは異次元の本だ。ダリル・アンカが我々の三次元からは見ることのできないオリオン星近くの惑星“エササニ星”の宇宙船操縦士であるバシャールとチャネリングをして、ワークショップ参加者との質疑応答を記録したものだ。
 
 ダリル・アンカは日本版イタコである。私はこれを20年前に読んで感動したので、ここに持ってきた。世間一般の人にはアヤシイ本として受け入れられない。しかし、俗世間から離れた状況で読むにはぴったりだ。ますます浮世離れしてしまいそうである。下界に帰ったらリハビリが必要だろうな。