すまん、気がつかなかった。これで勘弁してくれ。釣りはいらん

(Q)私の父親が亡くなり最近、遺産分けが終わりました。私は跡取りの長男なので財産のほとんどを相続しました。他家へ嫁いだ妹たちには“ハンコ代”を払い、事実上、財産を相続するのは放棄してもらいました。ところが妹たちから相続関係書類(戸籍謄本や印鑑証明書など)の取り寄せ手数料3千円や新たに実印を買ったときの代金3万円を払ってくれ、と言ってきました。妹たちにはそれぞれ“ハンコ代”を百万円ずつ渡しましたので、それで充分だと思っていました。しかし、妹たちは「それとこれとは別だ」と息巻いております。妹たちの欲の深さに呆れております。


(A)「“ハンコ代”と手数料負担分とは別だ」という感覚は女の人では通常の感覚です。妹さんたちが、特別欲が深いというわけでもありません。3千円とか3万円とかという“とてもリアルな金額”に女の人は敏感なのです。バカにしているとあとで痛い目に遭いますので、誠意をもって対処すべきです。
 「すまん、気がつかなかった。これで勘弁してくれ。釣りはいらん」といって現金を多目に渡すことです(このセリフは私がうちのカミさんにしょっちゅう言っているセリフです)。理屈の話ではありません。気分の問題です。ここでケチってはいけません。ケチの烙印を押されると死ぬまで言われます。ケチってトラブルになることを世間では「男を下げた」と言います。
 いまさら言っても仕方がありませんが、最初に現金をぽぉ〜んと渡してやると良かったのです。よほど人生経験を積まないとそういうことに気がつきませんわな。