土壇場の税金学

(Q)いま必死で確定申告の資料を整理しているのですが、とても3月15日の期限までに間に合いそうもありません。心配で夜も眠れません。もう死んでしまいたいくらいです。どうすればよいでしょうか?


(A)あなたは「臆病遺伝子」の持ち主です。不安でいてもたってもいられないのでしょう。あなたの心配性は遺伝子のせいですから、どうすることもできません。


 あなたは、あなたの遺伝子46本の染色体のうち第17番染色体の中の「セロトニン・トランスポーター」というタンパク質の一種が極端に少なくなり、セロトニンという脳内神経伝達物質が不足して不安になりやすく神経質な性格になるのです。これは死ぬまでなおりません。


 確定申告が間に合わないくらいで、死んでしまいたいというあなたのような人がいる限り、日本は大丈夫です。なにしろ「臆病遺伝子」の保有割合は日本人では98.3%とのことです。明治時代に日本に来た外人が「日本人は従順でかつ臆病なので、牧羊犬5匹で日本をコントロールできる」と言ったそうです。日本では税務署員は何万人も必要ありません。5人で充分です。


 それはともかく、期限に間に合いそうにない場合の対処法は、とにかく、どんな数字でもよいから記入して、期限内に申告書を提出することです。どんな数字でもよいといわれてもあなたのような人は、それすらできないかも知れません。が、無申告加算税(15%)をかけられないための緊急措置です。


 期限内というのは郵便で提出する場合は発信日が3月15日の消印があればよいのです。もし、それでも間に合わないときは、3月16日の早朝(税務員が出勤する前)に文書受付箱に投入する手もあります(私はそこまでやったことがないので責任は持てませんが)。


 その後、税務署から注意を受ける前に、正確な金額で「修正申告」又は「更正請求(税金の取り戻し)」をするのです。自主的な修正申告の場合は加算税がかかることはありません。


 税金の申告が期限に間に合わないことなど、どうってことはないのです。どう転んでもカネで済む話です。そんなことで悩んでいる人の気が知れません。あなたの「臆病遺伝子」がうごめくのでしょうが損な性格は気の毒としか言いようがありません。