“お利口さん”にしていても何もいいことはありません

(Q)このたび、私の会社に税務調査が入ることになりました。顧問税理士からは、「資料は洗いざらい見せなさい」と言われています。……が、見られるとまずい資料があるのです。こういう場合どうすればよいのでしょうか?


(A)見られるとまずい資料をこちらから進んで見せる必要はありません。ただし、見せろと言われたら拒否はできませんが……。


(Q)どうして顧問税理士は「資料は洗いざらい見せなさい」と言うのでしょうか?


(A)“お利口さん”にしていると税務署から評価されると思っているのです。


(Q)それなら私も“お利口さん”にしていたいのですが。


(A)“お利口さん”が評価されたのは昔の話です。以前は税務調査といっても、“指導”の意味もありました。ですから“お利口さん”にしていると、間違いがあっても、「次年度以降は気を付けなさいネ」と許してもらえることがあったのです。しかし、そういう牧歌的な時代は終わりました。いまでは財政状態が厳しいので、そんなのんきなことは言っておれません。税務署は税金を取りに来ているのです。小学校や中学校の担任の先生ではないのです。いまでは“お利口さん”にしていても何もいいことはありません。