青白い顔の肉体労働者

 今日は、ある農協にて個別税務相談会。アパートを建てた人の確定申告のお手伝いだ。
ほとんどの人が自分で確定申告書を書いてくる人ばかりなので、簡単なチェックだけで終わりである。あっという間に仕事は終わった。仕事というのはこのように簡単にやろうと思えばどこまでも簡単になる。時間をかけたからといって価値があるものではない。事務処理ではなく、相談にたっぷり時間を取ったからお客さんたちも満足しておられた。
 自慢じゃないが、これは私が数年掛けて自分で確定申告ができるように、と教えたからである。当初の2、3年は手間がかかって大変であった。教えるより自分でやった方が早いからだ。それでも3年もすれば誰でも自分で確定申告ぐらい簡単にできる。
 会計事務所は教えるより自分で抱え込んで仕事をする人が多い。それがお客に対するサービスだと錯覚している。付加価値のない仕事をクタクタになるまでやっているのだ。まるで青白い顔をした肉体労働者である。それでお客に喜ばれているかというとそうでもないから悲惨である。
 この時期、会計事務所は忙しい忙しいとあたふたしているが、たいした仕事はしていないのだ。
 自分で抱え込まずに教えればよい。そうすればお客さんのレベルは上がり、質問の内容も高度になってくる。それに受け答えできるようになるとお客さんからの評価は高くなるのである。教えることによって自分で確定申告ができるようになると会計事務所からお客が逃げていくという恐怖感があるのだろう。
 他の会計事務所の仕事が肉体労働化している限り、うちの事務所は悠然と週休3日を続けることができる。